着圧ソックスの売り場では、日中用と就寝用が隣に並び、圧力表示もhPaとmmHgに分かれています。数字が大きい商品を選べばよいのか、日中に履いたものをそのまま寝るときも使えるのか、パッケージだけでは判断しにくいものです。
先に見るべきなのは圧力の数字ではなく、「日中用」「就寝用」という使用場面です。日中用を就寝時に流用せず、寝るときは就寝専用の商品から選びます。
この記事では、単位が違う商品を比べる方法と、飛行機やバスなどの長時間移動で使う前に確認したい注意点を整理します。
着圧ソックスは日中用と就寝用のどちらを選べばいいですか?
起きている間に使うなら日中用、寝ている間に使うなら就寝用を選びます。圧力の数字が大きいか小さいかより、商品が想定する姿勢と使用時間を先に確認してください。
日中用は、立つ・歩く・座るといった起きている間の使用を前提にしています。就寝用は、横になった姿勢で使うことを前提にした設計です。ピップの「スリムウォーク」に関する公式案内でも、日中用は起きている姿勢に合わせて比較的圧力が高く、就寝用は寝ている姿勢に合わせて比較的低く設計されていると説明されています。
選ぶ順番は、次のようにすると迷いにくくなります。
- 使うのは日中か、就寝中かを決める
- 商品表示に、その場面で使えると明記されているか確認する
- 自分の足に合うサイズがあるか確認する
- 同じ用途の商品同士で、丈・素材・つま先の形を比べる
- 圧力を比べるなら、同じ部位・同じ単位にそろえる
飛行機や高速バスで起きている間に使うなら、候補はまず日中用です。ホテルに着いてから寝るときにも使いたいなら、同じものを続けて履くのではなく、必要に応じて就寝用を別に用意します。ただし、着圧ソックスを使わなくても困っていない人が、旅行だからという理由だけで買い足す必要はありません。
| 使う場面 | 最初に見る表示 | 選ぶときの注意 |
|---|---|---|
| 仕事・家事・移動中 | 日中用 | 「長時間移動向け」という記載だけでなく、サイズと使用上の注意も確認する |
| 寝るとき | 就寝用・寝る時専用 | 日中用を流用せず、就寝を想定した商品だけから選ぶ |
| 日中から就寝まで | それぞれの専用品 | 1足を一日中履き続ける前提にしない |
日中用の着圧ソックスを寝るときに履いてもいいですか?
就寝時にも使えると表示されていない日中用の商品を、寝るときに流用しないでください。寝るときに使いたい場合は、「就寝用」「寝る時専用」と明記された商品を選びます。
横になると脚にかかる静脈圧が下がるため、立っているときに合わせた着圧でも、就寝中には相対的に強くなることがあります。厚生労働省が公開した国民生活センターの商品テスト資料には、調査対象商品の注意表示として、立位姿勢をもとに設計した製品を就寝時に着用しないよう記した例が収録されています。
「苦しく感じないから大丈夫」とは判断できません。寝ている間は、しわやずれ、痛みやしびれに気づくのが遅れる可能性があります。メディキュットの公式Q&Aも、就寝中に使えるのは「For Sleep」の表示がある製品だけで、それ以外は就寝時の使用を考慮していないと案内しています。
日中用の商品説明に、就寝時の使用を控えるよう明記された例もあります。
Dr.Feel 医師監修 弾性ソックス 強圧
ショップ:アークワイズ公式 楽天市場店
4.1(21件のレビュー)Dr.Feel 医師監修 弾性ソックスは、商品説明に日中用とあり、足首30hPa、ふくらはぎ21hPaと部位別の圧力が記載されています。長時間の立ち仕事やオフィスワーク、長距離移動などが使用場面として挙げられています。
一方、足首の圧力が強いことから、就寝中の使用は控えるよう明記されています。日中と就寝の両方に使える1足としてではなく、起きている間に使う候補として検討する商品です。
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就寝用の着圧ソックスなら一晩中履いてもいいですか?
就寝専用の商品でも、商品ごとの説明・サイズ・禁忌を確認して使います。「就寝用」と書いてあることは、誰でも無条件に使えるという意味ではありません。
就寝用を選ぶときも、丈だけで決めず、サイズの測り方と注意事項を購入前に読みます。足首やふくらはぎなど、商品が指定する部位を測り、複数のサイズにまたがる場合はメーカーの選び方に従ってください。
着用後は、生地にしわやたるみがないか、口ゴムや端が丸まっていないかを確認します。痛み、しびれ、気分不良、かゆみ、発疹などの異常を感じたら、そのまま眠らず使用を中止してください。こうした注意は、就寝用の弾性ストッキングの添付文書や商品表示にも記載されています。
寝ながら メディキュット ロング ふとももまで
ショップ:楽天24
4.4(877件のレビュー)寝ながら メディキュット ロングは、商品説明に「寝る時専用設計」と記載された、太ももまで覆う就寝用です。上部の口ゴムは幅広リブで、ロング丈の商品として案内されています。
商品説明には、重度の血行障害がある人は使用しないこと、治療中の疾患によっては着用前に医師へ相談すること、サイズ違い・重ね履き・しわ・口ゴムの折り返しを避けることも記載されています。妊娠中の使用についても、この商品では使用しないよう明記されているため、表示を確認せずに「就寝用なら使える」と判断しないでください。
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日中用より低い数値なら安全、という選び方も避けます。圧力以外に、サイズ、丈、編み方、着用姿勢、持病や治療の状況が関わるためです。
hPaとmmHgはどう換算すればいいですか?
目安として、1mmHgは約1.33hPa、1hPaは約0.75mmHgです。数値を比べる前に単位をそろえ、さらに測定部位が同じか確認します。
換算式は次のとおりです。
- hPaをmmHgへ直す:hPaの数値 × 0.75
- mmHgをhPaへ直す:mmHgの数値 × 1.33
たとえば、30hPaは約22.5mmHg、20mmHgは約26.6hPaです。表示だけを見ると「30」と「20」で大きな差があるように見えますが、単位をそろえると差の見え方が変わります。
| 表示 | 換算の目安 |
|---|---|
| 30hPa | 約22.5mmHg |
| 21hPa | 約15.8mmHg |
| 20mmHg | 約26.6hPa |
| 15mmHg | 約20.0hPa |
この計算で分かるのは、あくまで圧力の単位を換算した値です。商品が自分に適しているか、日中や就寝時に使えるか、医療上の目的に合うかを示すものではありません。
圧力の数字が大きい着圧ソックスほど効果的ですか?
数字が大きいほど自分に適しているとは限りません。用途の異なる商品の数値や、測定部位・測定方法の異なる数値を横一列に並べて、強さだけで順位を付けないことが大切です。
着圧ソックスには、足首を強く圧迫し、ふくらはぎへ向かって段階的に圧力を弱めた商品があります。このとき「30hPa」と「21hPa」が同じ1足に書かれていても、矛盾ではありません。足首とふくらはぎのように、測っている場所が違うからです。
商品Aの足首30hPaと、商品Bのふくらはぎ25hPaを比べても、どちらが全体として強いかは判断できません。日本フットケア・足病医学会誌の解説でも、圧迫圧の分類は統一されておらず、国ごとに基準や測定方法が異なると説明されています。商品を横並びで見るときは、測定部位までそろえてください。
商品ページで数字を見るときは、次の4点をセットで確認してください。
- 日中用か就寝用か
- hPaかmmHgか
- 足首・ふくらはぎ・太もものどこを示すか
- 数値が参考値か、幅のある表示か
圧力表示が見つからない商品は、数字を推測せず、数値比較の対象から外してください。「強圧」「しっかり」といった言葉だけでは、別の商品との数値比較はできません。
旅行や飛行機で使う着圧ソックスはどう選びますか?
移動中、起きている間に使うなら、まず日中用を選びます。足を正しく測ってサイズを決め、着脱しやすさも確認してください。旅行用品として売られていても、就寝時まで続けて使えるとは限りません。
長時間のフライトやバス移動では、座席で履き直すのが難しいことがあります。自宅で一度、商品説明どおりに着脱できるか、ひざ裏に生地がたまらないかを確認しておくと、出発後の戸惑いを減らせます。
旅行中は普段と違う時間帯に眠ることもあります。移動中に仮眠する可能性があっても、日中用を就寝時にそのまま使えるとは限りません。使用可能な姿勢や時間は、商品の表示またはメーカー窓口で確認してください。医療目的で着用している場合は、市販品の一般的な選び方ではなく、主治医の指示を優先します。
荷物を増やしたくないなら、次のように考えると整理できます。
- 移動中だけ使う:日中用を候補にする
- ホテルで寝るときだけ使う:就寝用を候補にする
- 両方で使いたい:日中用と就寝用を別々に選ぶ
- 使用場面がはっきりしない:先に買わず、旅程を決めてから選ぶ
サイズ・折り返し・重ね履きで何に注意すればいいですか?
自分の足を商品指定の位置で測り、合うサイズのものを重ねず、しわなく着用します。きついから端を折り返す、弱く感じるから2枚重ねる、といった調整はしないでください。
厚生労働省が公開した商品テスト資料では、不適切なサイズ、しわ、折り返し、重ね履きにより一部に強い圧がかかり、しびれや痛みなどにつながるおそれが示されています。PMDAで公開されている就寝用弾性ストッキングの添付文書にも、サイズ計測、しわや折れを作らないこと、重ね履きを避けること、異常時に使用を中止することが記載されています。
着用前後の確認は、次の順番で行います。
- 商品が指定する足首・ふくらはぎなどの周囲を測る
- 爪や指輪で生地を傷めないよう、少しずつ引き上げる
- しわ、たるみ、ねじれ、生地の丸まりがないか確認する
- 口ゴムを折り返さず、2枚重ねにしない
- 痛み、しびれ、かゆみ、発疹、気分不良などが出たら脱いで使用を中止する
糖尿病、深部静脈血栓症、血行障害、うっ血性心不全、炎症性疾患、装着する部位の感覚異常などで治療を受けている人は、商品表示に従い、着用前に医師へ相談してください。妊娠中の使用については、商品によって注意書きが異なるため、「着圧ソックスなら使える」と一般化せず、各商品の表示と医師の指示を確認します。
着圧ソックスの日中用・就寝用についてよくある質問
日中用と就寝用を見分ける方法はありますか?
商品名やパッケージ、メーカー公式ページの「使用場面」を確認します。圧力が低そうに感じることや、つま先が開いていること、生地が柔らかそうに見えることだけでは、就寝用と判断できません。「就寝用」「寝る時専用」と明記されたものだけを就寝時の候補にしてください。
hPaとmmHgの表示は、数字が大きいほど圧力も高いですか?
同じ単位・同じ測定部位なら、数値は圧力を比べる手がかりになります。しかし単位が違う場合は、1mmHg ≈ 1.33hPaを目安に換算しなければ比較できません。さらに、足首の値とふくらはぎの値を直接比べないようにします。
日中用を履いたまま、飛行機で寝てもいいですか?
日中用の商品が仮眠中の使用まで想定しているかは、商品表示だけで判断できない場合があります。少なくとも「日中用だから就寝中も使える」とは考えず、メーカーの注意事項を確認してください。治療目的で使っている人は、旅行前に医師へ相談します。
就寝用なら強い圧力の商品を選んでもいいですか?
強さを優先して選ばないでください。就寝専用であることを確認したうえで、自分の足に合うサイズ、丈、商品ごとの禁忌や注意事項を確認します。数字の大きさだけでは、その商品を使えるか、自分に合うかは判断できません。
着圧ソックスは旅行の必需品ですか?
全員の必需品ではありません。普段から着用しておらず、移動中の不快感にも困っていない人は、旅行の荷物に加えなくても構いません。使う理由がある場合に限り、旅程と使用場面を決めてから選ぶと、使用場面に合わない商品を買う失敗を避けられます。
まとめ:着圧ソックスは数字より使用場面を先に見る
着圧ソックス選びで最初に決めるのは、圧力の強弱ではなく、日中に使うのか、寝るときに使うのかです。
- 起きている間は日中用、寝るときは就寝専用品から選ぶ
- 就寝時にも使えると表示されていない日中用の商品を、寝るときに流用しない
- hPaとmmHgを比べるなら、同じ単位へ換算する
- 圧力は足首・ふくらはぎなど同じ部位で比べる
- サイズを測り、しわ・折り返し・重ね履きを避ける
- 痛みやしびれなどの異常があれば使用を中止する
- 治療中・妊娠中などは、商品表示と医師の指示を確認する
旅行では、日中の移動用とホテルでの就寝用を1足で兼ねたくなります。しかし、荷物を減らすために用途表示を無視すると、選ぶ基準そのものが崩れます。必要な場面に合う商品だけを選び、使う予定のない場面のためには買い足さない。この考え方なら、数字の大きさだけで選ぶよりも判断しやすくなります。
参考にした一次情報・公式情報
- 厚生労働省「『加圧を利用したスパッツの使い方に注意!』の商品テスト結果について」
- ピップ公式「むくみと着圧ソックスについて」
- メディキュット公式「Q&A」
- 日本フットケア・足病医学会誌「圧迫療法概論」
- PMDA「おやすみソックス LOVE 添付文書」
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